私の1番好きな小説。
情景描写が美しく、繊細である。言葉だけでこんなにも脳内に映像が浮かぶものかと驚いた。
最初の雨の描写から自分の脳内に雨が降り、じめじめとした湿度が身体中にまとわりつく。気がする。
登場人物が多くを語らないからこそ、その場面の情景が人物の感情を表現している。
この小説を読んでからいつしか雨が好きになった。傘に雨が当たる様子を、音を奏でるスピーカーと捉えるようになった。
雨は自分だけの世界を作ってくれるものだと思うようになった。
登場人物のような感性を持った人間がこの世界にどのくらい存在するのだろうか。もし出会うことが可能ならば雨の日に東屋で会いたい。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年3月16日
- 読了日 : 2020年12月26日
- 本棚登録日 : 2020年12月26日
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