久美沙織さんといえば「丘の家のミッキー」しか知らなかったので、こういう作品があったことにびっくりした。
日本のいくつかの場所で起きる、いくつかのちょっとおかしなこと。徐々にそれらの意味が繋がっていく。
身近に起こり得る恐怖。コロナ禍を経験している今だからこそ、余計によくわかる。何かよくわからない恐ろしいことが、ひたひたと近付いてくるこの感じ。こわい!
真紀子の話がつらかったな。こういう境遇になったらこんな心情になるよねと、すんなり納得できてしまった。かわいそうすぎる。
ひとつひとつのエピソードは長くなく、深追いせずに次へ行く。それでもエピソード同士の繋がりから、登場人物たちの辿った経過が想像できたり末路がわかったりする。そして大体、向かう先は絶望。
全部で159ページと短い作品だけれど、余韻が濃く残った。
□私が読んだのは帯なしの本だったけれど、ブクログの画像で見ると帯がついている。「必ず涙する」って書いてあってびっくり。涙腺はまったく刺激されなかったけどなあ。
帯に節操ない口説き文句つけて手に取らせようとするの、ホントやめて欲しい……
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2022年3月8日
- 読了日 : 2022年3月8日
- 本棚登録日 : 2022年2月27日
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