いつか海に行ったね (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社 (2001年11月10日発売)
2.61
  • (1)
  • (19)
  • (45)
  • (37)
  • (15)
本棚登録 : 325
感想 : 40
4

久美沙織さんといえば「丘の家のミッキー」しか知らなかったので、こういう作品があったことにびっくりした。

日本のいくつかの場所で起きる、いくつかのちょっとおかしなこと。徐々にそれらの意味が繋がっていく。

身近に起こり得る恐怖。コロナ禍を経験している今だからこそ、余計によくわかる。何かよくわからない恐ろしいことが、ひたひたと近付いてくるこの感じ。こわい!

真紀子の話がつらかったな。こういう境遇になったらこんな心情になるよねと、すんなり納得できてしまった。かわいそうすぎる。

ひとつひとつのエピソードは長くなく、深追いせずに次へ行く。それでもエピソード同士の繋がりから、登場人物たちの辿った経過が想像できたり末路がわかったりする。そして大体、向かう先は絶望。
全部で159ページと短い作品だけれど、余韻が濃く残った。


□私が読んだのは帯なしの本だったけれど、ブクログの画像で見ると帯がついている。「必ず涙する」って書いてあってびっくり。涙腺はまったく刺激されなかったけどなあ。
帯に節操ない口説き文句つけて手に取らせようとするの、ホントやめて欲しい……

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2022年3月8日
読了日 : 2022年3月8日
本棚登録日 : 2022年2月27日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする