発表や新聞などで伝えられる数値を鵜呑みにしてはいけない。その前提を確認し、いろいろな視点を考えて検証し、自分なりに理解する必要がある。そうしないと、荒唐無稽な結論や方向に向かってしまう、ということだと思う。
経済指標としてのGDPに手厳しい批判がされている。アルコールの販売が増えて、それによる様々な悪影響があっても、そこに本来は必要のない支払いが発生すればGDPは増大してしまう。人の幸せとは関係ない。著者にとって、物やお金ではなく人が中心で大切であるという意志を感じた。
様々な分野について数字で規模の把握や比較がされている。省エネについては三重窓などの効果が大きく、新技術に熱を入れるより、効果が大きく現実的であるところから始めようという視点も忘れていない。好感が持てる。
風力発電についても盲目的に称賛するのではなく、潤滑油など様々な付属物を用意・構築する必要があり、それには環境負荷がかかることを理解した。
飛行機のエネルギー効率が想像よりよく、感覚で判断していたなあと反省した。
後半は数字というよりは技術の紹介と歴史の説明に費やされており、ここが著者が言いたいところなのだろうと感じた。数字で語るところは依頼に沿ったものかもしれない。それはそれで面白いのだけれど、私にはどこかで読んだことのある内容だった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2021年7月18日
- 読了日 : 2021年7月18日
- 本棚登録日 : 2021年5月23日
みんなの感想をみる