おつきさまこんばんは―くつくつあるけのほん4 (福音館 あかちゃんの絵本)

著者 :
  • 福音館書店 (1986年6月20日発売)
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本棚登録 : 8179
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1歳半の息子に初めてこの絵本を手渡したとき、とても気に入ったのか、いきなり10回以上も続けて「よんで」とせがまれました。
息子は、お月さまの豊かな表情がお気に入りのようで、笑っている顔、悲しんでいる顔、べーっとふざけた顔…と真似をして楽しんでいます。
お月さまの存在を知ったのもこの絵本のおかげ。
昼夜問わず、お月さまを見つけると、「おつきさま こんばんは」と挨拶しています。

一節に、「では さようなら また こんど」という場面があります。
終末期を迎える高齢者施設で働く友人が「また こんど」と言えるのは奇跡だ、と言っていました。
「また こんど」は、ありきたりで特に気にも留めていなかった言葉でしたが、友人の一言に、それは未来に繋がる希望の言葉だと知ることができました。
お友だちと別れるとき、おもちゃを片付けるとき、さよならやバイバイと共に、「また こんど」と言える有り難さ。
そんな素敵な言葉を息子にも覚えてもらいたいなと思っています。

夜空の紺色とお月さまの黄色のコントラストの美しさ。
ページをめくるごとに、お月さまや雲などがまるで動いているかのような流れのある豊かな描写。
そして、ひとつひとつの温かみのある言葉。
一見シンプルな絵本ですが、とても奥深く、親子揃って大好きな一冊です。

読書状況:積読 公開設定:公開
カテゴリ: しぜんとあそぼう
感想投稿日 : 2017年10月31日
本棚登録日 : 2017年10月31日

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