都内の大学院生の主人公が夏休みを利用して帰省し、誘拐事件が発生した。誘拐されたのは主人公の家族。後に殺人事件となるが、殺害されるのは誘拐された人物ではなく、誘拐者が殺害される。S&Mシリーズを7作読了したが、一番異端な作品だと感じる。前作「幻惑と死と使途」と同時期に発生した事件で、密接に関係していると思われるかもしれないが、そうでもない。ただ単に、同じ軸で進んでいるという表現を使いたかったのだろう。伏線を気にされる方は順番に読むのが望ましいが、単品で読んでも違和感なく読むことが可能。さて、トリックを解くカギとなるのは「主観性と客観性」、「乗り物」だろうか。私の中では大きなカタルシスを味わえた作品だったので、満点を付けることにした。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2016年9月11日
- 読了日 : 2016年9月11日
- 本棚登録日 : 2016年9月11日
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