ダブル・ジョーカー (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2012年6月22日発売)
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感想 : 453
5

スパイ小説が 大戦時期を背景にして
このように、巧みに えがかれると、引き込まれていく。
日本という国の立ち位置が いろんな角度から
見ることができる。

ダブルジョーカー。
風戸陸軍中佐は、諜報機関の設立を具申していた。
阿久津陸軍中将が、風戸を直接呼び、諜報機関をつくることを任命した。
その理由は、結城中佐がつくったD機関が目覚ましく
成果を上げていくことに危機感を持ったのだ。
風戸は、D機関の『死ぬな』『殺すな』が、気に食わなかった。
元英国大使白幡樹一郎が スパイの容疑で 調査しろ
という命令がくだされたが。
圧倒的に 結城中佐が スパイとして姿をあらわさずに、
任務を達成する。
まぁ。旅館の女中と侮ったのが ウンの尽きですね。

蠅の王
慰問団の一行が 二重スパイを摘発すると警戒していた。
慰問団は 荒鷲隊をわらわしたい。ということで、結成されている。
ダジャレに次ぐダジャレ。関西のノリだ。
脇坂軍医は 兄が 特高に殺されたことで、静かに 潜行した。
社会的不公平を理論的に説明する。ふーむ。
だれが 摘発する担当者なのか?

仏印作戦
陸軍と海軍が ベトナムに視察団をおくる。
そこでの 通信の役割をする 高林。
無線機をもたない陸軍の愚かさ。
容易に 巻き込まれる 高林。そりゃ、分かるでしょ。

柩。
結城中佐のできた はじまりが 描かれる。
舞台は ドイツだった。死なないという信念が、結城中佐を助ける。
予測できない不意の『死』に対しても、対処する。
整理整頓することで、身を守る。

ブラックバード
D機関で 養成された 仲根は、バードウォチィングで、
つながりをつくっていく。
アメリカ西海岸における 諜報活動。
その潜入の仕方が 巧みで うまく潜り込むが。

スパイは 発見されないこと という 基本が
物語の 構成が うまく、こんなところに 結城がいた
と思えるようにつくってあるが すばらしいなぁ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 戦争/軍隊
感想投稿日 : 2016年10月20日
読了日 : 2016年10月20日
本棚登録日 : 2016年10月20日

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