世界は分けてもわからない (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社 (2009年7月17日発売)
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確かに、世界は 分けてもわからない。
しかし、分けて 細部を 理解しなくては、わからない。
問題は 細部に分ける 理解しようとすることを
自己目的化して しまうことだ。
専門家 とは 細部を極めることで、成り立つ。

分ける は 分かるにつながる。

アルファベットで 一番よく使われるのは E
アミノ酸の中で 一番多いのは グルタミン酸。
一番少ないのは トリプトファン。
おもしろいな そういう語りが。

分けるって どういうことか 考察する。
連続性 と 非連続性。
目の視力をはかる ランドルト環。
それは 円が かけているのを 目が認識する。

そして カスケード論 という がんの正体を
さぐる マークスペクターの 鮮やかな実証方法。
それを、物語として 組み立てる能力。
世界が わからないと 書けないですね。

がん細胞は 糖が 大好きである。
それは ATP から エネルギーをとるのだが、
それが 不効率らしい。
そして、リン酸化する酵素が 怪しい。
この がんのメカニズムの仮説は 実に興味深い。
 
仮説 そして 検証。
仮説を パーフェクトに 実現する手法もある。
リン と ヨウ素の 微妙な駆け引き。
ある意味で、インチキをねつ造するにも 才能がいる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 科学
感想投稿日 : 2015年12月29日
読了日 : 2015年12月29日
本棚登録日 : 2015年12月29日

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