偽造証券 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2000年9月1日発売)
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本棚登録 : 179
感想 : 16
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幸田真音の小説は、
何ともいえず、「芯」があっておもしろい。
会社という生き物が、そこで働く人間の希望を
つぶしているのかもしれない。
違った方向に進んだ会社で働く、人間は、かわいそうだ。

三輪葵(祥子)、優子、美都
同じ職場にいた三人の女性の10年後という設定で、話がはじまる。
美都の旦那純一が、わけもなく、失踪する。 
作家となった葵を中心に、その追跡劇がはじまる。

なぜ巨額の損失を作り出したのか?
というような銀行の問題は、誰も責任をとることなく、
そのまま、公的資金を投入して、銀行を救済する。
銀行を救済しないと産業が冷え込む
という何かわからない論理で。

しかし、日本の銀行は、危機管理ができていない。
「役人に弱い。」

アメリカという国は、なぜ強いのか?

ディック・オーエンが、
パソコンに丁寧に、作業日誌をつけていた。
そのことについて、
「よっぽどのナルシストか孤独の人間だね。」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 金融/銀行
感想投稿日 : 2012年10月25日
読了日 : 2001年10月17日
本棚登録日 : 2012年10月25日

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