十一番目の志士 上 (文春文庫 し 1-2)

著者 :
  • 文藝春秋 (1974年11月25日発売)
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感想 : 52
3

なぜ。刺客である天堂晋助を主人公にしたのか?
というのが 上巻を読んで感じたことである。

主人公は 天堂晋助ではない ということかも。
幕末 そして 明治維新に向かう 志士たちが主人公だった。
時代の流れの中で 天堂晋助がであう 志士たちの逸話を
ちりばめて 群像を描こうとしているのですね。

そのためには 無口であり 行動力がある。
そして、危機にあっても 命を落とさないという
剣力を持ち、それが 宮本武蔵の流派である
という フィクションの主人公が 創造された。

高杉晋作、坂本竜馬、小栗上野介、土方歳三、近藤勇。
その断面が 表現される。

赤根武人という人物を通じて 高杉晋作の 限界性を
表現しているのが 特筆に値する。

それにしても 天堂晋助。
実にたくさんの オンナ とマグあうのである。
晋作のお下がりのオンナからはじまり
粟屋菊絵。妹お冴。絵師お咲ー娘婿となる。
小若。五助の女房。六道の政の妾ー小梅。南京屋女中。
菊絵。与力の姪お弥寸。お里。おのう。
しかし、その所為は まこと 動物的である。
もっと工夫がないのか 司馬遼太郎さん。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史物
感想投稿日 : 2014年7月30日
読了日 : 2014年7月30日
本棚登録日 : 2014年7月30日

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