サクラソウの目 第2版: 繁殖と保全の生態学

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  • 地人書館 (2006年6月1日発売)
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感想 : 1
3

中国を中心にしたサクラソウではなく、
日本のサクラソウを中心に展開していたので、ちょっとがっかり。
しかし、サクラソウが、日本の自生地について、
くわしくのべられていたし、
サクラソウの生態をまもるということに
結構、エネルギーがそがれていたので、ちょっと満足。

ダーウィンがサクラソウの研究をしていたことをしり、
ダーウィンの知的好奇心の多面さに驚く。
確か、ミミズもやっていたはず。

異型花柱花
というめしべの位置が違い、おしべの長さが違う型があることに、
自然のふしぎさを感じさせる。
サクラソウの目が、
ハッキリ見えるものと少しボンヤリして見えるものの違いがそこからうまれる。
今度、また麗江に行ったときに、見てみよう。

環境を保全するというのは、
サクラソウの生態を知ることであるが、
サクラソウが自然に繁殖するには、種子を作ることであり、
その助けとなる。
ポリネーター(花粉を運ぶ虫)が必要である。
その虫が生育できる環境が必要だ。
というのは、確かにそうだ。

自然はどんどん破壊され、自生していた草花たちは、
どんどん少なくなっていく。
今、自然を守るべきだといっても、
守るべき自然はほとんどなくなってきている。
人間の生活している部分も含めて、生態を考える時期にきている。

自然を見る視点は、ニンゲンにとってどのような価値があるか
ということだけで見ることに、やはり大きな問題がありそうだ。
保全生態学について、後半かかれているが、
やはり、ちょっと、はしょりすぎな感も否めない。

サクラソウを、日本の視野だけで見るのでなく、
もっと世界的に見て、どうなっているのか、という
ことを深めて欲しいと おもった。
なにか、舌足らずで、ちょっと不完全燃焼であった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 園芸/観葉/花
感想投稿日 : 2013年2月11日
読了日 : 2013年2月11日
本棚登録日 : 2013年2月11日

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