ロボット・イン・ザ・ガーデン ロボット・イン・ザ・シリーズ (小学館文庫)

  • 小学館 (2016年6月12日発売)
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感想 : 24
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 ロボットとアンドロイドが存在する時代。アンドロイドの方が、ロボットよりも進化していると思われがちだ。アイザック・アシモフがロボット三原則という「人間への安全性、命令への服従、自己防衛」がある。アシモフのSF小説から生まれた原則が、ロボット開発に対して、その影響は大きい。ただ、この物語は、アンドロイドが優れているわけではない。登場するロボットは、幼い子供のような心を持ち、学んでいくのだ。人間の心が理解できるロボット。
 イギリスの片田舎にいるバリバリ働く法廷弁護士の妻エイミー。その夫は仕事も家事もせず親から譲り受けた家と遺産で漫然と過ごす34歳のベン。ベンは獣医を目指すが合格せず。ちょっとダメっぽい男である。9月の朝に、エイミーとベンの家の庭に、壊れかけのロボットがいた。「四角い胴体に四角い頭」というデコボコなオールドスタイルのロボット。この小説の時は、トレンドは人間型のアンドロイドだった。あまりにも、やる気のないベンに対して、エイミーは愛想を尽かしていた。ベンは、そのロボットに興味を持つ。ロボットをバカにしていたエイミーは、離婚を宣告する。
 あまりやる気のないベンは、少しづつロボットに興味を持つ、ロボットの名前は、タングという。あとは、「ヤダ」と言うのが口癖。そして、タングは学び、少しづつ成長していく。アンドロイドは、作業をするだけなのだが、タングはちょっと違う。タングはほうぼうが壊れていて、修理したいとアメリカに飛ぶ。マイクロンと言う名前がついていたのだ。アメリカで泊まったホテルは、アンドロイドを愛人として連れ込むホテルだった。その後、日本でベンは、偶然飲んでいたところで、ロボット開発者にあう。そして、タングの開発者の住んでいるポリネシアに。
 ついに開発者が見つかるのだが、その男はマッドサイエンテストだった。結局、ベンはタングをイギリスに連れて帰る。タングは、成長していた。エイミーは、ベンではない男と恋愛関係を結んでいた。ところが、エイミーは妊娠していたのだ。ロボット・タングは胎児の心臓の鼓動がわかるのだった。
エイミーは、子供をほしがっていたのだが、その子供は、ベンか今つきあっている男の胎児なのかわかっていなかったが、エイミーは、ベンの子供が欲しいと思っていたのだ。タングが重要な役割を果たすのだった。人の気持ちがわかるロボットのタングの物語。
 タングの好奇心の向け方が、幼児のようでなんとも不思議な感情を抱かせる。ロボット小説で、かなり違ったスタンスで、構成する。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: SF/未来
感想投稿日 : 2022年11月21日
読了日 : 2022年11月21日
本棚登録日 : 2022年11月21日

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