日本の思想 (岩波新書 青版 434)

著者 :
  • 岩波書店 (1961年11月20日発売)
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感想 : 213
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「海外から入ってきた思想は日本で受容される」ということが書いてある。
前半は難解だが、後半は前半のことを平易に解説していて面白い。

特に、たこつぼ型とささら型の例えは「そうかもしれない」と思えた。

日本ではたこつぼ型と云って、海外で発展した思想がぶつ切りになって入ってくる現象が見られるという。「互いの交流が希薄で、これはあらゆる分野、たとえば文化活動、経済活動、政治活動、あらゆる側面で見られる。」という。
これは日本の「である」型の身分制の残滓である、とする。その考え方は民主主義の国家になっても同様だ、と喝破する。

日本は曲がりなりにも先進国の仲間入りをしたが、明治維新が必ずしもいままでの体系をすべて粉砕したわけではないし、戦後改革も同様である。それは社会の随所に見られる、とする。

「日本の特異性・独特性」を見事に表現した本であろう。もう出版から50年以上経っているが、まだ色あせていないのではないだろうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2015年4月29日
読了日 : 2014年12月11日
本棚登録日 : 2014年12月12日

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