生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの

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  • ダイヤモンド社 (2016年11月26日発売)
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最近、目にしない日はない「生産性」について、マッキンゼーで人事採用のマネージャーを務めた著者が、自分自身の経験を基に、平易な言葉で綴った一冊。大変分かり易く、腑に落ちる内容でした。特に3割という大幅な生産性向上を掲げることで、小手先の改善ではなく、知恵が出るようになるってな話はその通りだと思うな。コツコツも大事だが、コツコツに心酔しすぎるきらいがある文化は見直していかなければならないと思います。

・生産性=アウトプット/インプットの式をよくよく理解すること。成果とは、投入リソースとアウトプットのバランスで語られるべきなのに、突っ込んだリソースの量は度外視しされがち。

・生産性を上げるといえば、日本では地道な「改善」による「コスト削減」に終始しがち。しかしこれでは、大幅な生産性向上は望めない。

・生産性向上を考える上では3%の改善と、30%のイノベーションの両方で考えなければならない。30%というバーを設けることで、初めて思考が飛躍して、小手先ではない根本からの業務見直しがおきる。

・改善による生産性向上で時間を生み、生まれた余剰時間で、イノベーションを考え実践し、大幅な生産性向上を図る。

・マネージャーの仕事は「チーム」の「生産性向上」に「リーダシップ」を発揮すること。

・評価を成果物ではなく生産性に変える。昨年の生産性と、今年の生産性の「変化率」で評価するべし。

・多くの企業の研修制度は平均的なパフォーマンスを出す社員に合わせて設計されているが、それではトップパフォーマーがもった隠れた伸びしろを引き出すことはできない。中の上のポジションで満足してしまい、本来発揮しうる高いパフォーマンスを出さないまま、むやみに年を重ねてしまう。40代中堅になってようやく「選抜名目」の研修を実施するのではなく、トップパフォーマーのノビシロを最大限に発揮させるための「成長機会」としての研修設計が必用。

・戦力外中高年に、いかに再度を火をともせるか。しっかりとフィードバックをあたえることに紳士に向きあうこと。腫物にさわるような、臭いものに蓋をするような空気の中で、パフォーマンスを発揮して欲しいと願うことに無理がある。企業が戦力外になっている中高年の活用をあきらめないという姿勢が重要。

・タイムウォッチ片手に仕事する。1つ1つの仕事にどの程度の時間がかかっているかをミエルカし、その時間を短縮、半減できないかを考える。

・定期的な業務仕分けを行う。

・会議では原則として資料の説明をさせない。ポイントを絞り込んだ資料を黙読頂き、論点を議論する方がよほど生産性が高い。会議で資料説明させるのは、作り手への無駄なご褒美。

・自分で意思決定をする訓練を意図的にやる。不確実性の高い状態でも、何かしらのポジションを明らかにし、その理由を説明する訓練を。

・意思決定できない理由を突き詰めて考え、合意する。情報が足りないから判断が出来ない場合には、どんな情報があれば判断できるのかを具体化し合意すること。でないと先延ばし癖から脱しきれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2017年4月18日
読了日 : 2017年4月18日
本棚登録日 : 2017年4月18日

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