霧 ウラル

著者 :
  • 小学館 (2015年9月24日発売)
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戦後、北海道根室地区の権力と北方領土から渡ってきた人たち。

河之辺水産の三姉妹。
長女は政治家狙いの運送会社に嫁ぎ、
次女の珠生はヤクザものの土建屋へ
三女は信金の息子を婿に予定している。

協力して長女の夫の政界進出を応援していきながらも
もう同じ家族とはいい難くなってきた目に見えない壁を
珠生はうすうすと感じながら、緊張感漂う日々を送る。

男たちと、女たちの
決して入ることの出来ない男女の領域と溝と結束。

珠生の夫、相羽の最後。
組合員に殺された夫と妾、残された珠生と相羽組と、妾の子。

流れていった命、愛した夫の血を引き継ぐ妾の子、渦巻く思い。

激動の時代。
女は強いね……。
切なく、力強い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2017
感想投稿日 : 2017年10月11日
読了日 : 2017年10月11日
本棚登録日 : 2017年10月11日

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