あなたに似た人〔新訳版〕 I 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫 タ 1-9)

  • 早川書房 (2013年5月10日発売)
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本棚登録 : 1722
感想 : 96
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20世紀イギリスの作家ロアルド・ダール(1916-1990)の短編集。

ミステリというが、謎解きではない。かといって「奇妙な味」というのも雑な分け方であるように思う。皮肉っぽい余韻を残した読後感が多い。英国的といってしまえば、なおさら粗い括りになってしまうか。読んでいて惹き込まれていく作品もあるが、その先が切り捨てられたまま投げ出されている印象であり、読んでいて不全感が残る。そうした不全感自体が魅力に転化しているというわけでもない。

「味」「プールでひと泳ぎ」「皮膚」はそこそこ面白かった。

「誰かが巨大な風船を膨らませていて、今にも眼の前で破裂するのがわかっているのに眼がそらせない。そんな気分だった」(p249)。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: イギリス文学
感想投稿日 : 2020年12月23日
読了日 : 2020年12月23日
本棚登録日 : 2020年12月23日

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