著者の服部正也氏は、日本銀行、imfに勤務したのち、imfに請われて独立間もないルワンダ中央銀行の立ち上げに携わった。通算で6年間在職し、通貨切り下げを始めとする通貨改革のほか、ルワンダ人が自分達で市場経済を回せるよう、さまざまな方策を講じてルワンダ経済の立ち上げにあたった。
本書の内容において特筆すべきは、著者の徹底した現場主義である。ルワンダ人は怠惰で商業には向かないといった外国人の言葉を鵜呑みにすることなく、さまざまなルワンダ人と接することで、それが根拠のない偏見または外国人の保身のための言説だと見抜く。
さまざまな政策が身を結び、1987年に服部氏がルワンダに再訪した際には、服部氏自身が驚く程の発展を遂げるまでになった。
途上国論としても、経済論としても非常に質の高い一冊。
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- 感想投稿日 : 2015年10月11日
- 読了日 : 2015年10月11日
- 本棚登録日 : 2015年10月11日
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