アンネとヨーピー: わが友アンネと思春期をともに生きて

  • 文藝春秋 (1994年4月1日発売)
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アンネ・フランクが隠れ家に潜行する直前、1941 年の終わりから半年ほどアンネの 「親友」 だったジャクリーヌ・ファン・マールセンによる回想録。
前半はアンネとの思い出、アンネの人となり、ジャクリーヌ自身の戦時経験がメイン。後半は世界的ベストセラーとなった 「アンネの日記」 を売名や金儲けの道具に使おうとする多くの人々 (驚くべきことに、アンネ・フランクの父オットーの後妻とその連れ子もその立役者に含まれる) への違和感と義憤を述べた内容になっている。
ミープ・ヒースの回想録 「思い出のアンネ・フランク」 は、ミープ本人がプロのライターであるアリスン・レスリー・ゴールドの協力を得て書き上げたものなので、その読みやすさはある意味当然のものだが、こちらもかなり読みやすく仕上がっている。書くことについては素人のヨーピー (ジャクリーヌ) が独力で著したのだとしたら見事なものだ。
ここまで 「アンネの日記」、「思い出のアンネ・フランク」、「アンネとヨーピー」 をすべて深町真理子さん訳で読んできた。文中にしばしば古風な (もしかしたらやや難解な) 語彙や言い回しが出てくるので、 「アンネの日記」 の感想で 「やや癖がある」 と評したが、深町さんご自身が 1931 年生まれ、アンネやヨーピーと同年代なのだということを最近知った。なるほど、それならば納得である。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2010年4月23日
読了日 : 2010年4月23日
本棚登録日 : 2010年4月23日

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