刺激的なタイトルだが、内容は決して日本の製造業そのものを批判しているわけではなく、経済のグローバル化に伴い経済環境が変化している中で、日本の産業政策が硬直的であり、政治・行政があいかわらず戦略がないまま現状維持に安住していることについての批判である。
本書は、そもそも週刊ダイヤモンドに寄稿されたコラムを一冊にまとめたものである。上述の産業政策のみならず、格差問題や税制などさまざまな経済問題について政策提言であり、そいった意味でもタイトルが本の内容を的確に表わしているわけではない。ビジネス書ではあるがあくまでもテーマは経済政策である。
著者は、小泉改革について基本的に批判的であるが、それはよく言われるような格差社会を招いたなどといった類のものではなく、小泉改革が中途半端で生ぬるいといったより強硬的な視点からの批判である。しかしながら、小泉政権とそのブレーンが著者の指摘する点について無知であったとは思えない。やはり国政の現場においては政治的なかけひきや妥協があるのが現実であり、竹中平蔵氏の著書でその点は回想されている。著者の指摘は的確であるものの理想論である。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ビジネス
- 感想投稿日 : 2018年10月8日
- 読了日 : 2008年8月14日
- 本棚登録日 : 2018年10月8日
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