様々な場所の人々の視点から、物語は進んでいきます。
双子の娘の元を訪れようとする母親、イギリスの昆虫学者、
スマトラ島の猿の捕獲人、売買を行う行商人、
動物免疫施設で働く職員、伝染病医学研究所のチーフetc.
場所もばらばら、職業もばらばらな人々がウイルスの存在で
繋がっていきます。
上巻では、何がウイルスを持ち込んだのかではなく、
ウイルスの猛威が広がっていく様子と、
未知の土地で何が起こっているのか調査したり、
人々が繋がっていく様子がメインに描かれています。
ジャングルの奥地を進んでいく場面を読んでいると、
秋だというのに蒸し暑い気分になってきて不思議でした。
ウイルスという見えない恐怖と闘う姿も緊張感たっぷりです。
解剖する際に、死体と自分を隔てるのは薄いゴム手袋のみで、
メスを扱う時のちょっとしたミスが命取りであったり、
ジャングルの奥地で動植物に接触することの恐ろしさは
読んでいて怖くて怖くてたまりませんでした。
怖いんですけど、とにかく先が気になってなりません。
登場人物の名前はもちろん、カタカナの連続なのですが、
文章としては、すごく読みやすいです。
あまり外国の方が描いたという印象は受けませんでした。
読みなれている日本の小説をすらすら読む感じです。
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- 感想投稿日 : 2008年10月20日
- 本棚登録日 : 2008年10月20日
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