宇宙皇子 妖夢編 8 (角川文庫 ふ 3-62)

著者 :
  • KADOKAWA (1994年9月25日発売)
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宇宙皇子は、全国の鬼たちと連携しながら、蝦夷の地に流民王国を築こうとする夢の実現に向けて、少しずつ歩んでいきます。ところが、藤原百川の放った刺客が金剛山に攻め入り、危うく敗北を喫する危機に追いつめられます。そして、みずからの至らなさに打ちひしがれる宇宙皇子のもとに小角が現われ、ままならぬこの世界に開かれつつある「魔道」をしかと見つめることが必要だと宇宙皇子に迫ります。その一方で各務も、鬼としての役目を放擲して、一人の男と女として宇宙皇子に結ばれたいという、みずからの内に潜んでいる魔道を見つめるという試練を迎えていました。

そんな折、桓武天皇が長岡京への遷都をおこなうとともに、これまで苦しめられてきた蝦夷を盗伐することに力を注ごうとしていることが明らかになります。宇宙皇子は、これまで慎重に進めようとしてきた流民王国への足がかりがふたたび崩壊させられてしまうことへの危機感を募らせながらも、今みずからのなすべきことは小角の導きにしたがって魔道を見つめることだと自分の言い聞かせます。

いまだ道鏡との戦い以後のストーリーの枠組みが見えず、徒に話を引き延ばされているような印象があります。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本の小説・エッセイ
感想投稿日 : 2017年11月1日
読了日 : -
本棚登録日 : 2017年11月1日

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