WORLD END ECONOMiCA (1) (電撃文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2014年12月10日発売)
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感想 : 18
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月面都市で生まれ育った家出少年の「ハル」こと川浦ヨシハルは、ネット・カフェで生活し、株取引で大きな利益をあげていました。彼が、ネット・カフェの店員のエマニエル・セローに紹介された教会を訪れ、シスターのリサと、数学の天才的な能力をもつハガナという少女と生活することになります。

ぶっきらぼうなハルと無口なハガナはたがいに折りあいが悪くて、リサが仲介を試みるも、二人のあいだには早くも険悪な雰囲気が立ち込めます。そんななか、ハルはリサが大きな借金を背負っており、その返済ができなければたいせつな本を売りわたさなければならないかもしれないという話を聞くことになります。そこで彼は、ハガナと協力してとある投資コンテストに参加し、優勝賞金を獲得することをめざします。

二人の協力が実現したことで、コンテストで順調に利益を伸ばし、彼は投資家のバートン・クラドヴィーゼンとの面会を果たします。その一方で、ハガナの才能によって利益をあげていることに焦りをおぼえはじめます。

著者のデビュー作である『狼と香辛料』とおなじく経済をテーマにしたライトノベル作品です。ただし『狼と香辛料』が中世ファンタジーの舞台設定のもとでの物語であるのに対して、本作は近未来が舞台となっています。心理的な駆け引きは、『狼と香辛料』にくらべるとかなりシンプルな印象ですが、ライトノベルのラブコメ作品としてはじゅうぶんにたのしめました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 少年向けライトノベル
感想投稿日 : 2022年1月1日
読了日 : -
本棚登録日 : 2022年1月1日

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