ソードアート・オンライン (9) アリシゼーション・ビギニング (電撃文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2012年2月10日発売)
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「RATH」(ラース)という企業が開発したあらたな装置をつかって仮想現実の世界に入り込んだキリトは、ルーリッドの村で木こりを「天職」とする少年ユージオと出会います。彼は、村のはずれにそびえる巨木「ギガスシダー」を切り倒すために、くり返し斧を振るいつづけるというしごとをこなしていました。しかしキリトと出会ったことで、彼のなかにすこしずつ変化が起こり、二人は強い友情で結ばれるようになっていきます。

一方、現実世界では、「死銃」事件の犯人のひとりであり、事件以降も警察の捜査から逃れつづけていた「ラフィン・コフィン」のメンバーだったジョニー・ブラックが、キリトを襲撃し、彼は意識をうしなってしまいます。

この巻より、長大なアリシゼーション編がスタートします。ファンタジー世界で一見したところ徒労にも思えるしごとに従事しつづける住人が登場する世界観などは、村上春樹の『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』を思わせる設定ですが、この世界の異分子であるキリトの登場がきっかけとなってはじまった冒険を通じて、仮想世界における人格とはなにかというテーマがあつかわれています。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 少年向けライトノベル
感想投稿日 : 2023年5月4日
読了日 : -
本棚登録日 : 2023年5月4日

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