世界神話学入門 (講談社現代新書)

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  • 講談社 (2017年12月14日発売)
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神話学者のマイケル・ヴィツェルによって提唱された「世界神話学説」にもとづいて、世界各地の神話を比較し、そのつながりを論じた本です。

近年の遺伝学の進展によって、アフリカに誕生したホモ・サピエンスの移動の諸相が解明されてきました。ヴィツェルは、こうした研究の成果に依拠して、地球上のさまざまな神話が、古いタイプの「ゴンドワナ型」と新しいタイプの「ローラシア型」の二つのグループに分類することができると主張します。本書では、そうしたヴィツェルの主張の裏づけとなる世界各地の神話を紹介するとともに、著者自身の研究も加味しつつ、とくに日本神話の源流についても議論をおこなっています。

本書で紹介されているヴィツェルの議論は、遺伝学の成果をもとに、地球規模の神話の起源と変遷にかんする研究というもので、そのスケールの大きさには目をみはらされます。ただ、神話そのものの分析については、印象論的なレヴェルでの類似が論じられているにすぎないという印象も受けました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史・地域・文化
感想投稿日 : 2020年1月19日
読了日 : -
本棚登録日 : 2020年1月19日

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