宮本村を飛び出した新免武蔵(しんめん・たけぞう)と本位田又八(ほんいでん・またはち)の2人は、関ケ原の戦いで落ち武者狩りに襲われることになります。そんな2人をかくまってくれたのが、合戦上で死者の持ち物を奪って生活しているお甲(おこう)と朱美(あけみ)の母娘でした。武蔵に好意を寄せるお甲は、辻風典馬(つじかぜ・てんま)という男が率いる野武士団に襲われ、武蔵は彼女を助けるために一人で戦います。一方、武蔵に加勢することのできなかった又八は、彼を捨ててお甲とともに逃げ出します。
こうして、たった一人になった武蔵は宮本村へ帰りますが、彼が又八をそそのかして村から連れ出したと信じる本位田のおばばは武蔵を陥れようと考えます。
吉川英治の『宮本武蔵』を比較的自由にアレンジした、ハードボイルド作品です。「国民文学」と称される吉川の原作をマンガの世界に移植するという試みが、現代日本文化においてマンガがどのような位置を占めているのかを、よく表わしているような気がします。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
青年コミック
- 感想投稿日 : 2017年8月17日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2017年8月17日
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