恐るべき子どもたち (1) (小学館文庫 はA 9)

著者 :
  • 小学館 (1997年4月17日発売)
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本棚登録 : 674
感想 : 37
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ジャン・コクトーの同名のタイトルをもつ小説をマンガで表現した作品で、エリザベートとポールが主人公の姉弟の物語です。

無邪気であるからこそ残虐な「恐るべき子どもたち」である姉妹は、高らかに笑い声をあげながらおたがいを傷つけたり、傷つけられてはばかることなく涙を流したりします。

『トーマの心臓』をはじめとする作品で、古き良き時代のヨーロッパを幻想的な筆致でえがいてきた著者が、コクトーの世界観をマンガで表現しており、そうした意味でも興味深く読むことができました。著者の比較的初期の作品で、やや線が硬いところもありますが、かえってそこに独特の緊張感を感じとることができるようにも思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文庫版コミック
感想投稿日 : 2021年9月4日
読了日 : -
本棚登録日 : 2021年9月4日

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