数学受験術指南 (中公新書 607)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 101
感想 : 13
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メモ欄も採点対象になるという京都大学の数学試験に携わった著者が、採点時に苦労したエピソードを紹介しつつ、本筋をつかむこととそれを採点者に伝えることのたいせつさについて語っています。

頑張ればなんとかなるという精神主義をしりぞけ、要領よく受験数学を乗り切るコツについて述べられた本ですが、といって著者の考える「要領」は小手先のテクニックなどではなく、数学の本質にまっすぐにつながっています。

この本が役に立ったという受験生は、相当の実力者だろうと思います。すくなくとも、『チャート式』などで基本的な問題のパタンをすでに押さえたというひとを対象に、じっさいの受験問題に取り組む際の心構えを説いた本だという気がします。

むしろ受験を終えたひとに、さんざん苦しめられた受験数学とはいったいなんだったのかを、すこし俯瞰するような場所から見せてくれる本ではないでしょうか。わたくし自身はそのように読みました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 資格・受験
感想投稿日 : 2019年8月21日
読了日 : -
本棚登録日 : 2019年8月21日

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