陰陽師 瀧夜叉姫 上 (文春文庫 ゆ 2-17)

著者 :
  • 文藝春秋 (2008年9月3日発売)
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晴明は、都に大きな異変の前兆があると感じた加茂保憲から、顔にできた瘡に苦しむ平貞盛を救ってほしいという依頼を受けますが、貞盛のもとを訪れた晴明は、蘆屋道満がこの件かかわっていることを知ります。その後も、都にいくつもの異変がつづけて起こり、それらはすべてちょうど二十年前の事件の関係者たちをめぐるものであることが明らかになっていきます。

将門伝説を題材にとった長編で、かなりおおがかりなストーリーとなっています。飄々とした態度で事件のなりゆきを見つめる道満はもちろん、将門の首級を上げた俵藤太やとらえどころのない浄蔵など、登場人物たちもそれぞれが独特なキャラクターの持ち主で、これらの仕掛けを著者がどのようにまとめて一つの物語へとかたちづくっていくのか、たのしみです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本の小説・エッセイ
感想投稿日 : 2021年2月6日
読了日 : -
本棚登録日 : 2021年2月6日

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