姫君 (文春文庫 や 23-5)

著者 :
  • 文藝春秋 (2004年5月11日発売)
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本棚登録 : 1492
感想 : 199
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短編5編を収録しています。

冒頭の「MENU」は、5歳で両親を亡くし、矢野家に引き取られた20歳の時紀(ときのり)の物語です。友人の麻子が、彼の義兄である聖一と交際を開始し、すこしずつ時紀の知っていた彼女から変わっていくのを見ることになります。その一方で、「自分が一番好き」という彼の考えに共感する義妹の聖子と濃密な関係がえがかれています。

表題作の「姫君」は、山本摩周というアーティスト志望の青年のもとに身を寄せることになった、姫子という誇り高い女性の物語。コミカルなテイストではじまりますが、しだいに摩周がカッコよく感じるようになっていきます。

テイストの異なる作品がたのしめる短編集ですが、やはり著者らしい雰囲気の話が印象にのこっているように思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本の小説・エッセイ
感想投稿日 : 2021年4月5日
読了日 : -
本棚登録日 : 2021年4月5日

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