橋本治と内田樹 (ちくま文庫 は 6-19)

著者 :
  • 筑摩書房 (2011年7月8日発売)
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本棚登録 : 301
感想 : 31
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橋本治と内田樹の対談を収録しています。

もっぱら橋本を深く敬愛する内田が、橋本のすごさを引き出そうとしていますが、話をまとめようとする内田を振り切って、橋本が思いもかけない方向へと議論を拡散させていくために、けっきょくまとまりのつかないかたちで話がどんどん進んでいってしまうという印象があります。それをおもしろいと思うか、それとも散漫だと思うかで、評価が分かれそうです。

橋本治を批評するひとがいないことを問題視する内田の主張は、おなじことを強く感じていた読者としては、あの内田ですら橋本治をつかまえることができずにいる本書の対談を読んで、いささか絶望的な気分にもなってしまいます。それでも、橋本治における「公共性」のありかたなど、いくつか興味深い着眼点が示されていて、感心させられることもけっしてすくなくありませんでした。そのうえでなお、隔靴掻痒の感がのこります。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本の小説・エッセイ
感想投稿日 : 2019年8月13日
読了日 : -
本棚登録日 : 2019年8月13日

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