大奥 8 (ジェッツコミックス)

  • 白泉社 (2012年9月28日発売)
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本棚登録 : 2145
感想 : 154
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吉宗最晩年。家重の治政に入る。
家重の造形に心をうたれた。暗愚の将軍として記録されている実際の将軍を、男女逆転とは言うものの、切なくて愛すべきキャラクターに育てる作者さんに脱帽する。中興の祖と位置づけられる吉宗との親子関係、田沼意次との主従関係を通して、行動のウラにある追い詰められた気持ちが伝わってきた。

家重の大奥に入った、料理人の設定も、男女逆転でも存在する差別構造を描いて見せて注目してしまう。
板前の世界では、「男」だといくら腕が高くても評価が落ちるという、実際の世界では逆の評価が、逆転であろうともあり得ること、それがいかに反転可能かを示しているところが妙にはまる。出てくる料理も、どれも美味しそうで! 焼き魚が食べたくなった。鰻も。さすがよしなが作品。

平賀源内も登場し、赤面疱瘡の謎解明に乗り出す田沼意次の動きも注目される。

映画公開の関係で、9巻めも12月に発売されるようで、楽しみで仕方がない。続きがはやく読みたいよう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: まんが
感想投稿日 : 2012年9月29日
読了日 : 2012年9月29日
本棚登録日 : 2012年9月29日

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