本当に本当におもしろかった。
河合さんは、2007年にお亡くなりになったそうだ。直接、面識のない人の死をこんなに悼むのは、初めてだと思う。ご冥福をお祈りいたします。
一番印象的だったのは、夢や箱療法の題材で、無意識のところで目につく、気になるということがあるということだ。
章でいうと、「相手の「魂」だけを見つめる」「全体に平等に注意力を向ける」がおもしろかった。人と向き合うとき、特に患者さんと向き合うときに、「中心をはずさずに」いるということの大切さを言っている。
おもしろいのは、こういうことは、気になる人がやって、気にならない人は、どうぞ、勝手にやってでいいと言っているところ。
また、ときどき、世間と帳尻を合わすため、納得させるために、ぱあとやってみせるということも、すると河井さんが言うところ。
そして、「個別性とか、一人ひとりの人生に寄り添って考える知」というところにも、未来への可能性が出ている。
とにかく、どこをとってもおもしろい。たぶん、私の持っている問題意識と共鳴するのだと思う。その世界は、ユング、フロイト、明恵、老荘、レヴィ・ストロースという人たちも登場していた。じわじわ、足を踏み入れていきたい。
河合さんと茂木さんとは、私にとっては、まさしく夢の共演。
茂木さんは、1962年生まれだそうだ。河合さんの意志を知る方が、これからも、活躍されることを見守りたい。
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- 感想投稿日 : 2009年1月27日
- 本棚登録日 : 2009年1月27日
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