こころと脳の対話

著者 :
制作 : 茂木健一郎 
  • 潮出版社 (2008年7月17日発売)
3.63
  • (20)
  • (31)
  • (46)
  • (3)
  • (2)
本棚登録 : 275
感想 : 37
5

本当に本当におもしろかった。
河合さんは、2007年にお亡くなりになったそうだ。直接、面識のない人の死をこんなに悼むのは、初めてだと思う。ご冥福をお祈りいたします。
 一番印象的だったのは、夢や箱療法の題材で、無意識のところで目につく、気になるということがあるということだ。
 章でいうと、「相手の「魂」だけを見つめる」「全体に平等に注意力を向ける」がおもしろかった。人と向き合うとき、特に患者さんと向き合うときに、「中心をはずさずに」いるということの大切さを言っている。
 おもしろいのは、こういうことは、気になる人がやって、気にならない人は、どうぞ、勝手にやってでいいと言っているところ。
 また、ときどき、世間と帳尻を合わすため、納得させるために、ぱあとやってみせるということも、すると河井さんが言うところ。
 そして、「個別性とか、一人ひとりの人生に寄り添って考える知」というところにも、未来への可能性が出ている。
 とにかく、どこをとってもおもしろい。たぶん、私の持っている問題意識と共鳴するのだと思う。その世界は、ユング、フロイト、明恵、老荘、レヴィ・ストロースという人たちも登場していた。じわじわ、足を踏み入れていきたい。
 河合さんと茂木さんとは、私にとっては、まさしく夢の共演。
茂木さんは、1962年生まれだそうだ。河合さんの意志を知る方が、これからも、活躍されることを見守りたい。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2009年1月27日
本棚登録日 : 2009年1月27日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする