Sweet Blue Age

  • 角川書店 (2006年2月21日発売)
3.35
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本棚登録 : 2075
感想 : 222
3

ひと目で蜷川実花さんの作品とわかる美しい表紙。
目次の前にはさみ込まれた
ブルーとピンクのパステルカラーの3枚の紙も、とてもきれい。
装丁の美しい本です。

7つのお話が収められていますが、

「海の底」で冷静でソツのない自衛官ぶりを見せつけた冬原が
事件後に「異臭を放つ王子様」として彼女の前に現れ
声を殺して泣くシーンに胸打たれる
有川浩さんの「クジラの彼」、

いいかげんな振る舞いやだらしない人を許せないヒロちゃんが
沖縄の、かなり変わったホテルのバイトを通して
少しずつ肩の力を抜き、心の凝りをほぐしていく
坂木司さんの「ホテルジューシー」

の2作が、やっぱり飛びぬけておもしろくて
本棚にもうあるのに、しかももう何度も読んでいるのに
また惹き込まれて読み耽ってしまう私でした。。。

その他、狭いサークル内での恋愛模様が
気恥ずかしくも懐かしい、角田光代 「あの八月の、」

突然転校することになった田舎での生活に戸惑いながら
大人になることの切なさを知っていく少女を描いた
日向蓬 「涙の匂い」

古式ゆかしい文体に、独特な諧謔を絡めて
映像が浮かび上がるような不可思議な世界を構築した
森見登美彦 「夜は短し歩けよ乙女」 など、

全く作風の違う7篇、
新しい作家さんに触れるきっかけになる1冊です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: アンソロジー
感想投稿日 : 2012年7月3日
読了日 : 2012年7月3日
本棚登録日 : 2012年7月3日

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コメント 4件

円軌道の外さんのコメント
2012/07/04


こんにちは!
いつも沢山のコメントと
お気に入りポチ
本当にありがとうございます(^O^)


暑い日が続いてますが
お変わりないですか?



あっ、なるほど!
確かにカラフルで原色の色使いが
蜷川実花さんですよね(^O^)

これって
いろんな作家の短編が集まってて
なんだかお得感
ありありじゃないですかぁ〜(笑)♪

しかも森見さんの
「夜は短し歩けよ乙女」や

有川さんの
「クジラの彼」が
一冊で楽しめるなんて
贅沢の極みやし(*^o^*)


まだ読んだことない作家で
誰かいい人いないかなぁ〜って時に
重宝しますよね☆


そういう意味でも
こういう企画本は
どんどん出して欲しいなぁ〜(^_^)


漫画家と小説家のコラボや、
ミュージシャンと小説のコラボなんかも
面白いと思うんやけどなぁ♪

まろんさんのコメント
2012/07/05

円軌道の外さん、こちらこそいつもありがとうございます!
北海道育ちなので、関東の蒸し暑い夏には、毎年悩まされる私です(>_<)

この本の7つのお話の中では、
有川さんと坂木さんと角田さん以外の作家さんは「初めまして♪」だったのですが
作家紹介の欄で、
どちらかというと官能的な表現が得意と書かれていた日向蓬さんの作品が、
予想外に(?)中学生を瑞々しく描いていて
他の作品も読んでみたくなりました。

ミュージシャンと小説のコラボというと
小川洋子さんが、佐野元春の10曲をテーマに書いた短編集
『アンジェリーナ』っていうのがありましたね(*^_^*)

円軌道の外さんのコメント
2012/07/10


あっ、そっかぁ〜
まろんさんは北海道やったんスよね(笑)
自分一昨年の7月に
半袖のポロシャツに
短パンで
富良野行ったら
向こうは最高気温が16℃しかなくて(笑)
寒くて寒くて
もうずっと震えてましたよ(泣)(>_<)

ほんで大阪帰ってきたら
35℃!!

同じ日本で
これだけ気温差があるって
日本ってやっぱ
縦に長いんやって
実感しましたよ…(笑)


あっ、『アンジェリーナ』は
つい最近ブクログの友達に教えてもらって
めっちゃ気になってたところなんです!(笑)(^O^)

まろんさんはもう読みました?

小川さんも
佐野さんのかなりのファンらしいっスよね♪
(それ知って、かなり小川さんを好きになりました笑)

まろんさんのコメント
2012/07/10

そうなのです!
北海道と関東・関西は、気候的に2カ月くらいの温度差があるのです(>_<)
だって、7月や8月でも、おじいちゃんおばあちゃんの家とかでは
朝晩ストーブ焚いてましたもの!

『アンジェリーナ』は、本棚にあります♪
小川さんの普段の作風だと、
まさか佐野元春が好きだとは思ってもみなかったので
本をみつけたときは、かなりびっくりしました(笑)

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