ひと目で蜷川実花さんの作品とわかる美しい表紙。
目次の前にはさみ込まれた
ブルーとピンクのパステルカラーの3枚の紙も、とてもきれい。
装丁の美しい本です。
7つのお話が収められていますが、
「海の底」で冷静でソツのない自衛官ぶりを見せつけた冬原が
事件後に「異臭を放つ王子様」として彼女の前に現れ
声を殺して泣くシーンに胸打たれる
有川浩さんの「クジラの彼」、
いいかげんな振る舞いやだらしない人を許せないヒロちゃんが
沖縄の、かなり変わったホテルのバイトを通して
少しずつ肩の力を抜き、心の凝りをほぐしていく
坂木司さんの「ホテルジューシー」
の2作が、やっぱり飛びぬけておもしろくて
本棚にもうあるのに、しかももう何度も読んでいるのに
また惹き込まれて読み耽ってしまう私でした。。。
その他、狭いサークル内での恋愛模様が
気恥ずかしくも懐かしい、角田光代 「あの八月の、」
突然転校することになった田舎での生活に戸惑いながら
大人になることの切なさを知っていく少女を描いた
日向蓬 「涙の匂い」
古式ゆかしい文体に、独特な諧謔を絡めて
映像が浮かび上がるような不可思議な世界を構築した
森見登美彦 「夜は短し歩けよ乙女」 など、
全く作風の違う7篇、
新しい作家さんに触れるきっかけになる1冊です。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
アンソロジー
- 感想投稿日 : 2012年7月3日
- 読了日 : 2012年7月3日
- 本棚登録日 : 2012年7月3日
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コメント 4件
円軌道の外さんのコメント
2012/07/04
まろんさんのコメント
2012/07/05
円軌道の外さんのコメント
2012/07/10
まろんさんのコメント
2012/07/10