天才 柳沢教授の生活 ベスト盤 The Blue Side (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2010年9月15日発売)
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本棚登録 : 213
感想 : 22
5

この人のように生きたい、とか
この人にだけは軽蔑されたくない、とか
この人にはどうやっても敵わない、とか
思える人に出逢えるのは、とても幸福なことだ。

幼少期から自分のスタイルに忠実すぎるくらい忠実に、
「空気を読む」という言葉とは別の地平で生きてきた柳沢教授が
本人の与り知らないところで
そういう存在として、誰かの心の拠りどころになっているのが素敵。

「また出会った2人」、「こころ」、「踊りませんか?」などで
そんな神々しいまでの存在感を見せた彼が

「夫婦の音色」で、愛する妻には驚くほどピントのずれた対応をし続けたり
「性(さが)」では、珍しく細い目を大きく見開いて、
友人を殺伐とした世界から救おうと奮闘しながら
力及ばず無念を噛みしめる姿を見せるのも、奥が深い。

楚々とした美女がふっくらとした生活感溢れるおばさんになり
美少年が、その面影を残しながらも壮絶な老人になった様を描けてしまう
山下和美さんの卓越した画力にも目を瞠る名作です!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 漫画
感想投稿日 : 2012年7月27日
読了日 : 2012年7月25日
本棚登録日 : 2012年7月26日

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コメント 8件

takanatsuさんのコメント
2012/07/27

わぁ!ベスト盤ですね!
今単行本を探しているのですが、文庫も良さそうですね。
まろんさんのレビュを読んで、ますます読みたくなりました!

まろんさんのコメント
2012/07/27

柳沢教授の少年時代も青年時代も知ることができて
(昔はいつもちゃんと目を開けていることに感動したりして♪)
しかも、人間の愚かさも尊さも愛おしさも
絶妙なバランスで描かれていて、感動しました!

こんな出逢いができたのも、
takanatsuさんが華子ちゃんと教授の本のレビューを書いてくださったおかげです♪
ありがとうございます(*^_^*)

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2012/07/27

ベスト盤って文庫だったのか、、、此方の方が持ち運びに便利かな。。。
「山下和美さんの卓越した画力にも」
読んだコト無いのですが「不思議な少年」で、うーんと唸る(イイカゲンな性格が災いして、いつも作者だれだっけ?と思ってました)。。。

まろんさんのコメント
2012/07/27

nyancomaruさん、こんばんは!

そうそう、ベスト盤は文庫なのです。
でも、The Blue SideとThe Red Sideとか銘打たれちゃうと、
絶対両方ほしくなっちゃいますよね。

少女漫画出身の漫画家さんで、美少女や美青年の数十年後を
その間にどんなことがあったのかまで匂わせるようなタッチで
残酷なまでに描写できる方は少ないと思うのですが、
山下和美さんは、間違いなくその一人です♪

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2012/08/04

「山下和美さんは、間違いなくその一人です♪ 」
ジックリ愉しみます。
「天才柳沢教授の生活 1」を図書館に予約。
「天才柳沢教授 孫・華子との生活 A New Selection」「天才柳沢教授タマとの生活 完全版」「天才柳沢教授の冒険 1」の3冊をカートに、入れました。。。さてベスト盤どうしようかな?

まろんさんのコメント
2012/08/05

山下和美さんは、あんまり小さな書き文字とかを使わない方なので
文庫でも読みにくいということはないんですが
描写を細部まで楽しみたいなら、文庫じゃないほうがいいかもしれませんね。
それにしても、図書館に置いてあるなんて、うらやましすぎます(>_<)

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2012/08/28

「図書館に置いてあるなんて」
あまり借りられていないようで、結構直ぐに届きます。←でも取りに行けないので二度ほどキャンセルして予約し直している。

まろんさんのコメント
2012/08/30

あらあら、nyancomaruさん、せっかく届いても取りにいけないなんて
お忙しいんですね(>_<)

私が利用してる図書館にもし柳沢教授が揃ってたら
毎日通いつめて読み耽っちゃうのになぁ。。。

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