タイトルと表紙が物語っているように
かわいいかわいい、
焼き立てのマドレーヌのような物語。
小学校時代のいじめも、恋を選んで家を出た父のことも
今はふわりと乗り越えて
たった半年の母の不在をなんとか阻止しようとする菜穂に
「なに言ってるの、変わるのは、菜穂、あなたよ」
と言ってあげられる亜矢が、とてもいい。
誕生日の前日に
「一押しの『みずうみ』には12歳の夏の日が閉じ込められています。
菜穂のとくべつなきょう、『みずうみ』だけは読んでね。」
と渡される、『10月はたそがれの国』。
中学生に戻って、こんな親友に巡り会いたいなぁ。。。
40歳を目前にして、「赤い靴」をはく決意をするママも
それを自然体で受け入れつつ
最後にはサンタも顔負けのプレゼントを用意するパパも
菜穂の成長を静かに祝福してくれる司書の上原先生も
とにかくみんな、人生を見つめる視線がとても柔らかい。
気持ちが下を向いた日には、冒頭のこの言葉を唱えて
このやさしい物語を思い出そう。
「ねえ、じぶんがもう子どもじゃないって思ったときって、いつだった?」
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
あ行の作家
- 感想投稿日 : 2012年6月8日
- 読了日 : 2012年6月7日
- 本棚登録日 : 2012年6月8日
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