金原ひとみの作品が読んでみたくて、金原ひとみと言えば『蛇にピアス』で、でも内容が過激っぽいと聞いていてそこに手が伸びず、短編集(と勘違いしてたんだけど)なら衝撃も少ないかなあと折衷案的に読んだのがこの本。選択は間違いじゃなかった。
読む前は、『星へ落ちる』というタイトルに対して何かしらキラキラとしたものを勝手に感じていたのだが、読み終わって改めてタイトルを見返すと、こんなに恐ろしくて、こんなに物語に合ったタイトルはそうそうあるもんじゃないと戦慄している。
恋愛の滑稽さと、辛さと、情念と、言葉に表せないぐっちゃぐちゃの感情が混ざった小説。それでいてどこかさっぱりとまとまっているところがすごいなあ。
世の中は、相手の幸せを一番に願えて、いつかふたりで笑って再開できるような、そんな恋愛だけで構成されてるわけじゃないんだなと思った。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年8月9日
- 読了日 : 2017年8月9日
- 本棚登録日 : 2017年8月9日
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