君の膵臓をたべたい

著者 :
  • 双葉社 (2015年6月19日発売)
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本棚登録 : 162
感想 : 21
3

軽口と死。
強引なヒロインを愛してしまった。

久々にページをめくる手が止まらなかった。
予想外の結末まで、一気に読んでしまった。

すい臓がんで余命宣告を受けた女の子。
偶然そのことを知ってしまった男の子。
ボーイ・ミーツ・ガール。
そう書くと、重たいラブストーリーに見えてくるが
そうではない。
二人は恋人同士でもない。
彼女の病気をジョークのネタにする軽妙感。
強引な彼女に振り回されて
孤独から引きずり出される男の子。
そして、二人は次第にお互いを理解していく。

余命。
それはあなたも私もいくばくかではある。
それが宣告されていないだけで。
死というもの、だからこその生の意味。
改めて考えてしまった。

ふと思う。
死をテーマにした小説は
だから、生のための物語なのだ。
それは過去から未来永劫まで。

ネットでの評価は単なるライトノベルだ、という声も見るが。
そうではない、と思う。
現代日本の軽すぎる文化を味つけにしながら
その物語は、心に届く。

少女はどう生きたか。
少年はどうその少女を見つめていたか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 恋愛小説
感想投稿日 : 2016年5月17日
読了日 : 2016年5月17日
本棚登録日 : 2016年5月17日

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