未来型サバイバル音楽論: USTREAM、twitterは何を変えたのか (中公新書ラクレ 370)
- 中央公論新社 (2010年11月1日発売)
20180503
音楽プロデューサーの牧村氏と、メディア論学者の津田氏が音楽の未来について対話をした作品。
結論として音楽は文化として残り続ける。人が娯楽を楽しむ上で欠かせないコンテンツだからだ。しかし、その楽しみ方は過去と大きく姿を変える。中間関係者であったレーベル事務所や販売会社といった売り手を経由せず、作り手であるアーティストと買い手が直接繋がるようになるのだ。この現象を起こす要因として、①音源技術の進歩と、②SNSツールの進歩が挙げられる。①の為に、CD等の製作費が下がり、個人でネット上に簡単に音源を上げることができる。②では、広告等個人で発信することができるようになる。
一方で、楽しみ方がより個人間の繋がりに近づくことで発生する問題点も指摘できる。1つには著作権の問題である。ネット上で簡易に音源が流布してしまうため、ネット上での著作権の管理方法、誰がそれを担保するのかという議論は深める必要がある。解決策として、JASRACのような著作権信託会社が立ち上がり著作権を守る方法や、音楽配信のプラットフォーマーの中で音楽を聴ける形にする事で、剽窃できない形にする等である。
今後の音楽の楽しみ方として、さらに個人の買い手の選択肢が広がっていくと思う。例えば、①定額ストリーミング配信で、ダウンロードコピー等の煩雑な作業を減じて音楽を聴き続けられることや、② 作り手と買い手がSNS上で情報を共有し合い、小さいサイズのフェスや、ネット上でのライブ配信を実施していくなど。
これらのミドルマンが薄まっていく流れは音楽に限らずどの分野にも言えることだ。ネットが発達した現代においては、作り手や買い手が双方に情報発信できるため、横流しだけのミドルマンに価値はない。一方で、情報を集め付加価値を提供できるニューミドルマンには、今まで以上に価値が高まり、仕事が集まるのも事実だと思う。私も銀行員という旧来のミドルマンの生き方を変え、いかにニューミドルマンとして価値を発揮できるかという観点は常に持ち続けたい。
約10年前の著作でようやく、mp3やネット視聴が増えてきた時代。
今の時代は、更にストリーミング化が進み、月額制聴き放題のサービス中心の時代である。
ストリーミング、店舗型のCD販売や、フェスでの活動など、音楽家にとってビジネスモデルはどう変わっているのか。
音楽を取りまとめるプラットフォーマーは存在感を増し続ける。
体験型
発信できる=ツールやプラットフォーム
ニューミドルマンの存在
価値を生み出す著作権
著作権をどう管理するか。信託の活用=JASRAC
信託に乗せない著作権フリーでの活動
- 感想投稿日 : 2018年9月8日
- 本棚登録日 : 2018年4月28日
みんなの感想をみる