「和菓子のアン」の続編。
お店の仕事にも慣れてきた杏子の、青春の成長を和菓子を通して描かれている。
モンゴメリの「赤毛のアン」の続編と同じタイトルなのが面白い。
このままバイトでいいのか、私は何になりたいのか。「飴細工の鳥」のように空洞な自分に気づいてしまったアンは、自分の将来に悩む。
これをアンだけの視点でなく、みつ屋向かいの店「K」のへっぽこ店員柏木さんと重ねることでアンの悩みが強調されて私も一緒に悩みながら読み進めていった。
まだ答えは出なかったけれど、確実に前に進んでいるアンちゃんを応援したくなる。
それと、前作同様和菓子に纏わる推理も良かった。推理で終わるのではなく、考えさせられる読後感。嫁姑問題や、食品の安全に関わる問題。
誰しも遭遇する問題に対して、物語の中でははっきりと白黒つけていない。けれど、自分の考えは持ってもいいけど押し付けるのは如何なものか。自分の気持ちがしっかりしているのであれば、それに基づいて動いたらいいだけなのではないだろうか。はっきりと発言することで、受け取る相手にとっては傷つくことになる。
私はどっちかというとなんでも言ってしまうタイプだから、ハッとさせられた。気をつけようと思った。
これは続編もありそう。いや、あるでしょ!読みたいもん♫
あとあと最後に、立花さん、がんばれっ!笑
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
もってないほん
- 感想投稿日 : 2016年6月13日
- 読了日 : 2016年6月13日
- 本棚登録日 : 2016年6月13日
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