ファルマゲドン――背信の医薬

  • みすず書房 (2015年4月11日発売)
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感想 : 5

インプテンツ/勃起不全 不感症/女性の性的欲望傷害 子どもの騒々しさ/ ADHD
パニック障害、骨減少症、むずむず脚症候群、線維筋痛症
病気づくり disease mongering

マーケターは医師たちを野心家、懐疑的な実験者、規則に縛られたもの、声なき大衆の4つに分別

エントレープ(デュロキセチン)腹圧性尿失禁治療薬
リリー社は1990年代に抗鬱薬として開発するのをあきらめた。副作用のひとつに尿の貯留誘発があったので、ヨーロッパで尿失禁治療薬として上市。プロザックの特許が2001年に切れ、その後続薬とされたzァルトリアが心臓障害をもたらすように見えた時、リリー社はデュロキセチンをサインバルタという名前で再び抗うつ薬として再登場させる道を選んだ。また医師がさまざまな痛みを訴える患者がよく訪れるのだが、どう治療したらよいかわからないと市場調査で答えていたから、うつ症状の軽減に加えて、疼痛緩和薬としても重点的に売り込まれた

医学分野ゴーストライティング
 アメリカと英国で50社

ハミルトンうつ病尺度 マックスハミルトンが開発したことになっているが、ガイギーファーマスーティカル社によって、イミプラミンの臨床試験で使うために策定された

測定づくり measurement mongering

健康で60歳の女性だった彼女は骨粗鬆症であると告げられた。だがそれは彼女の年齢にとってはまったく正常なことで、骨折のリスクなどない状態だった。しかし病気だと思い込まされ、ア◯やフ◯を処方されたジョセフィーンは、転倒して腰の骨を折ることを恐れて芝刈りができなくなった。これらの薬を飲むよりも芝を刈ったほうがよほど骨折の危険防止に役立ったのだが。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: medicine
感想投稿日 : 2015年10月12日
読了日 : 2015年10月12日
本棚登録日 : 2015年10月12日

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