シューマンの指 (100周年書き下ろし)

著者 :
  • 講談社 (2010年7月23日発売)
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本棚登録 : 2306
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ネタバレ注意。「ラストでひっくり返される小説」との評を目にして楽しみに読んだのに。修人でシューマンね。実在しないとな。どこからどこまでを、妄想の手記と思えばいいわけ?冒頭の手紙からぜんぶ?じゃあ妹はでも実在?殺人事件も実際にあった? ぜんぜんすっきりしない。翻訳文を読まされてるような、ことばの意味はわかるけど世界観が届かないもどかしい感覚(私が音楽という芸術に対する造詣が浅すぎるからだろうけど)をこらえつつ読んでいたらいつのまにか同人誌を呼んでるようなかんじになってた。打ち上げのバーレストランの一幕とか、どうとらえたらいいのさ?全くの妄想のできごと?
ラストが意外っていうか、ずうっと読んできて、でもそんな人いなかったんですけどねー と梯子を外されるかんじ。
意外性といえばそうなのかもしれないけど、申し訳ないけど、ミステリーではなかった。切ったその指は、シューマンの指でもなきゃ、修人の指でもない。現実を生きていないひとたちの物語。私が妹なら、兄を哀れに思いこそすれ、こんな真実掘り下げようとはしない。そして、兄が医者として生きた時期に関わった患者さんたちが心配。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 推理・ミステリー系
感想投稿日 : 2015年5月20日
読了日 : 2015年6月2日
本棚登録日 : 2015年5月20日

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