再読。少し前にTwitterで子供の頃読んだ本の話が流行っていて読みたくなった。
指輪物語の作者が妖精物語の定義や効用について語った本。
もとはアンドリュー・ラング記念講演のための原稿だというわりにラングへの批判らしきものがけっこうあるのがなんだか面白い。端々に言語学者らしさがにじみ出ているのも。
スープにいろんな人やものを放り込むたとえと、あとは「学者さんがはいこれは心臓を体の外に隠す話だね類話が世界中にあるねーとか分類してたら無視されてしまうような細部こそが妖精物語は大事なんだよ!」っていう主張がいい。
クリスチャンじゃないせいか準創造という考え方はそれほどしっくりはこないのだけれども大人になってもファンタジーを愛し続ける人間の一人としてはファンタジーへの「逃避」を否定しないこのエッセイがとても好きである。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年2月4日
- 読了日 : 2017年2月4日
- 本棚登録日 : 2017年2月4日
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