食品の裏側―みんな大好きな食品添加物

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  • 東洋経済新報社 (2005年10月1日発売)
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◆きっかけ
2016/6/15 午後の紅茶のビターショコラミルクティーを飲んでいて、ふと成分表を見ると「シリコーン」の文字が。シリコンって、シャンプーとかに使われているあのシリコン!?今まで食品添加物の話を聞いても、「結局は食べられるものなんでしょ」と、あまり気にしていなかったが、今回は何だか気になってしまった。そして関連する書籍を読みたいと思った。

◆感想
手作りをがんばろう。と、励みになった。

みりん風調味料については、妊娠したくらいから何となく気になって、高くても本みりんを選ぶようになった。

でも他については、普通に売っているのだし、食べて死ぬわけではないし、安全だから出回っているわけで…と思い、少し気にするものの、そこまで神経質にはなっていなかった。安さ便利さにかまけて買っていた。

筆者も言うように、添加物の恩恵は計り知れない。私も独身一人暮らし時代、冷凍食品やコンビニ、チェーン店の食べ物には相当お世話になった。でも、食品業界でクスリと呼ばれている添加物。食べて気持ちのいいものではない。育児中で専業主婦の今、果たして家族にやすやすとこれらを出して良いものか。家事、こどもの教育や遊び、家族団らんの時間、自分の時間…これらも大切だが、一番大切にしたいのは何なのか?考えると、私は、食だ。時間の使い方、見直そう。献立考えから調理、食器洗いまで、食にまつわる時間をもっと割いてもいいのでは。

娘が一人暮らしをはじめるときに、読ませたい。添加物をとるなとは言わない。独身時代は、特に、その恩恵を受けるだろうし、その便利さを使うがゆえに、使わないよりも栄養が取れるということもある。使わずに、食が細くなったり、食べなくなったでは、逆効果だ。意味がない。ただ、頭の片隅に知識として知っておいてもらいたいこと。読ませたい。私自身もだが、そのときの環境、状況、気持ちでも、どんな選択をするのかは変わってくると思うし、それでいいと思う。ただ、頭の片隅にはいつも、置いておきたい。

・自分の育った家庭も、添加物をあまり気にしない家庭だった。母親は料理を手作りしてくれたし、その料理も美味しくて大好きだが、大人になって、意外と加工品や素を多く使っていることに気がついた。また、父親はかなりよく食べる人で、夕食後もよくアルコールに加え、アイスや菓子、カップ麺やコンビニ惣菜も食べていた。母親も、午後の休憩にはよく菓子パンを食べていたし、ジュースやインスタントの甘い粉末飲料が好きだった。私自身はどうか。お茶や甘しょっぱい煎餅や和菓子が大好きな子供だった。親ほどには甘いものやインスタント好きではないが、スナック菓子等、普通に食べていたと思う。添加物に疑問を持たない家だった。でも、今は私も家庭を持って、親となった。改めて考え直す機会かもしれない。

・本書では、個別の添加物が人体にどんな影響を及ぼすか、また、どれだけ研究が進んでいるかの現状については詳しく触れられていなかった。これについては、また別の書籍を探して学びたい。

・食品に限らず、よく使う整髪剤ケープについて、最近、毎日吸っているが大丈夫なんだろうか、どんな影響があるのだろう、と思ったり食器洗い洗剤その他についても同様に考えることがある。関連書を読んで色々知りたいと思う。

◆引用

・新漬たくあんが好評だった理由は、低塩であることはもちろんですが、食感がポリポリ、しゃきしゃきしていること。これは、昔ながらのおばあちゃんの手作りたくあんでは出ない感触なのです。添加物でつくり上げた食感と言っていいでしょう。    みんな添加物の味を「おいしい」と言って食べているのです。…p70

→まさに私だ…

・「炭酸カルシウム」もカルシウムには違いないのだか、骨を強化する作用もゼロではないでしょう。しかしそれは、ひじきや小魚に含まれるカルシウムには及びもつかないものなのです。…p115

・なぜ「たんぱく加水分解物」が、これほどまでに日本人に受け入れられたのか。    それは、日本人は元来、味噌やしょうゆなど、アミノ酸にうまみを感じる食文化を持っていたからです。    「たんぱく加水分解物」というのは、非常に濃厚で強い味なのですが、問題なのは、この濃い味を子どもたちが「おいしい」と覚えてしまうことなのです。…p164

・「化学調味料」もそうですが、「たんぱく加水分解物」は子どもが大好きな味です。    しかし、一度この味を知ってしまったら、野菜や本来の天然のだしなど、淡白な味を「おいしい」と思えなくなります。味覚が麻痺してしまうのです。…p167

→私が自分で取った出汁は味がしない…と思うのはこのせいなのか!??野菜は蒸しただけ、茹でただけ、も好きだけれど。

・「ブドウ糖果糖液糖」(中略)空腹時にこんな糖度の高いものを飲んだら、血糖値がどれだけ上がってしまうか。    血糖値の急激な上昇は、糖尿病の引き金となってしまいます。(中略)古来より、私たち日本人は、米からブドウ糖を摂取してきました。    米のでんぷんは体内でゆっくりと分解されてブドウ糖に変わり、エネルギー源になります。それならば血糖値が急上昇することもありません。(中略)甘味料として使われる「サッカリン」は発ガン性を疑われていますし、(中略)毒性という意味ではこういった添加物のほうが高いかもしれませんが、「ブドウ糖果糖液糖」には、ゆるやかに、しかし確実に、子どもの体をむしばんでいくという怖さがある。(中略)「甘いものの食べすぎは虫歯になるからいけない」    もはやそんなレベルの話ではないのです。…p175

・味覚が壊れていくこと、糖分をとりすぎるということも危惧するべきことですが、このようなものが使われ、安易に食べ物がつくられ、与えられる。しかも、安くて手軽に手に入るーーそう子どもたちが思ってしまうことが怖いのです。   体をつくる食べ物は、こんなに簡単で単純で安くはないはずです。    一度の食事が、食べるのは一瞬でも、どれだけの手間がかかるのかを、子どもたちに教えなければいけないのです。手間のかかる食事は、子どもの「体」だけではなく「心」をつくることを知ってほしいのです。…p177

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新書 ルポ 自啓 実用 教育 レシピ
感想投稿日 : 2016年7月20日
読了日 : 2016年7月20日
本棚登録日 : 2016年6月15日

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