12歳までの読み聞かせが子どもの「地頭」をつくる!

  • WAVE出版 (2015年7月1日発売)
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感想 : 18
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◆きっかけ
図書館
◆感想
私自身、母親が絵本好きで幼い頃、兄弟でよく読み聞かせをしてもらっていた。それが良い思い出となっているので、2歳になった娘にも、赤ちゃんの頃からずっと読み聞かせをしてきている。産後、育児本を読むようになって、読み聞かせをしようとか、読み聞かせは良い!とかいう記事を目にするようになって、「効果」を意識して読み聞かせるものなの!?と驚いた。…といっても、自分も心の底ではきっと、効果を意識していたのだが。私自身読み聞かせをしてもらったのは中学へ上がる前までだったし、本はずっと短い絵本だった。本好きに育ったか?と言われれば、ふつう。いつも読んでる!ってほど好きなわけではないが、苦手意識は無かった。中学までは、国語の読解は、勉強しなくてもわかった。しかし、高校の現国になると、撃沈。そんなレベル。
私の母親は、自分自身も楽しんで読み聞かせてくれたのだと思う。最近、なんで絵本ばかりだったの?と問うたら、「私自身が本は完結するまで一気に読みたいから、途中でやめなきゃならないような本は読み聞かせなかった。」と。なるほど。
著者は、12歳まで毎日読み聞かせすること、年間1000冊読むこと、子どもに質問することを勧めている。その上で、読み聞かせを継続するには「深い理解、本心から信じている、大きなビジョンがある」の3点が必要だと述べている。
読み聞かせを継続するだけなら、おそらく母親自身が本や、読み聞かせをするのが「好き」なら、継続できると思う。しかし、著者が勧めるような読み聞かせをするには、確かにこの3点が必要なのだろう。

「読み聞かせのあとに子どもに質問するのはいけないよ、子どもに本の世界に浸らせてあげて」という主張もよく目にするが、著者の主張はそれとは異なる。

私自身はどうしていこう。娘と並んで本を読んだり、読み聞かせをしたり、図書館に行く時間が大好きだし、娘が絵本をめくったり、大人の本棚から大きな本をひっぱり出してきたり、ピアノに絵本を並べたり(楽譜のつもりなのでしょう)する様子を見たり、共有する時間がすごく愛しい。本があることで、娘との時間が豊かになっているとも感じる。単純に、本が好きだし、娘も好きになってくれたら嬉しいな。と思う。そして最近は正直、「効果」も期待してしまう自分もいる。今回この本を読んだから、きっと意識してしまう。自然に楽しく本とつきあっていけたら良いのだけれど。効果を意識し過ぎないようにしたい。

最後まで読んだときには、一冊通して「子どもに幸せになってもらいたい。そのために母に、家族にできることとは?」という思いが感じられた。読み聞かせ後に子どもに質問することも、その一環なのだろう。「学ぼうとしないときには」等、もくろみ通りにならない時の体験についても書かれていて良かった。

「質問しなきゃ!」と躍起になるのではなく、子どもが読後の世界にひたりたそうな様子なら、ほうって見守る。いろいろ考えているようなら、そっとしておくか、考えを引き出す手伝い(質問等)をしてみる。母と対話したそうだったら感想を聞いてみたり質問をしてみる…と、その時その時の子どもの様子をよく見ながら、それに沿った関わりをしてあげられたらなと思った。著者のもう一冊の著作『子育ての魔法の杖 奇跡はもう起きている!21世紀の早期教育』も読んでみたい。
2017/6/8

◆引用
・詳細を教え込もうとしたり、覚えさせようとする必要はまったくありません。コンセプトを教えてあげて、「世の中には知らないことがたくさんある」、そして「知ることは楽しい」ということを、親が身をもって教えてあげるだけで十分です。 このような教育を子どもに与える中心にあるのはあなたの愛情です。親のエゴではなくて愛なのです。しかもあなたの愛とは、あなたの子どものみに注ぐ愛情のことではなく、自分自身が宇宙の一部となって、あなたの役目を果たしているという実感です。…p90
・他者をリスペクトし、誰からでも学べる姿勢を身につけることが重要だと考えていたからです。 いずれ社会に出たときには、たくさんの人から学ばなければなりません。傲慢にならずに、ときに自分はすでに知っていることであっても、一歩引いて人から学べなければ、自分が何を知らないのかということさえ、知らずにいる無知な人間になってしまいます。  「ダニング・クルーガー効果」という、心理学の理論があります。この理論が教えてくれるのは、ものすごくストレートに言いかえると、「頭の悪い人は、自分が何を知らないのか知らないが故に、自信がある」ということです。 反面、ものごとを知れば知るほど、知らないということを知ることになり、もっと知る努力をするようになるのです。…p110

→自分自身もできていない。そうありたい。身を引き締める思い。

・人をリスペクトすることを家庭で教えるためには、親は何をしたらいいか。次に挙げるのは、わが家でモットーとしていたことです。
1.親は、家族や親族の悪口を言わない、言わせない
2.親は、家族や親族を尊敬する
3.親は、配偶者を立てて尊敬する
4.親は、指導者の悪口を言わない、言わせない
5.親は、友達の悪口は言わない、言わせない
6.親は、返事はきちんと丁寧な言葉で言う
7.親は、大人の話に許可なく入らない
 ↑どういうことだろう??
8.親は、人の話が終わるまで待つ
9.親は、子どもと親との上下関係をきちんと保つ
...p112

→恐れ入った。これを徹底したところがすごい。

・大人が子どもになることを学ぶ  道元禅師の言葉に次のようなものがあります。 「子どもが生まれたら母になるだけでなく、子どもになることも学びなさい」…p138

→道元が意味したこととは違うかもしれないが、母が「育児することで、自分の子ども時代を追体験できた」と言っていたことをふと思い出した。

・「こうあるべき」などという考えよりも「そうかもしれないけど、ああかもしれない」と、どちらが正しいということもないことのほうが、世の中には多いのではないかと思います。  ですから私たち大人も、ものごとを「違うんだな」とそのまま受け入れればいいのです。(中略) 違いを認められない、または他者より自分の方が正しいと思う見方を、私たち親は子どもたちが小さい頃に、知らず知らずのうちに植えつけてはいないでしょうか。子どもたちには固定観念を抱かせずに、違う考え方や違うものの見方があって当然という、柔軟な目でものごとを見る姿勢を、教えなければいけないと思います。...p143

→結婚前まで、わりと「人は人、自分は自分なのだから。」と割り切って考えられていたことも、結婚後、より「家族・親族」を意識するようになって、身内については特に割り切って考えられないことも増えてきた。あるいは友人であっても、結婚前までは世界は広がっていく速さの方が早くて、「人は人」の考えが強かったのが、結婚後、新たな友人関係を築くよりも、これまでの友人との関係を深めるようになったことで、割り切れずに悶々と考えてしまうことがあった。(子ども関係や転居先、新しい職場で新たに出来上がる人間関係はあれど、最初から一定の距離を置いている関係に、自然となる。友人というのとは違う関係。) 「こうあるべき」という考えに固執してしまうのはいけないな、と自分でも思うことも多く、いせひでこさんのエッセイ『七つめの絵の具』を読んだときは、いろんな価値観があるってことを再認識させてもらって、頭が凝り固まりそうなときは再読しようと思った。年を重ねるにつれて、人間関係が濃くなる。その中でも、柔軟に考えられる人でありたいと、この章を読みながらまた思った。2017/6/12

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 育児・出産
感想投稿日 : 2017年6月8日
読了日 : 2017年6月8日
本棚登録日 : 2017年6月6日

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