1995年に単行本で刊行されたエッセイ集「ミステリオーソ」を
増補し2分冊で文庫化したもの。元本は刊行時に買って読んでるけど
同じ本を二度買わされたという気は全くしない。
巻末の「編集ノート」を見ても丁寧な作業をした上で
文庫化されてるのがよく判る。山之辺進のカバーイラストも良いし
新作「愚か者死すべし」が出るまでの10年間に書かれたエッセイや
対談をまとめて読めるのが嬉しい。
原?の私立探偵・沢崎シリーズは単行本で揃えているのだが
文庫化の際、全ての作品に短編が新たに付されており気になっていた。
それが全て再収録されているのも収穫でお遊びの要素が強い短編もあり、
原?の長編作品には無い洒落っ気がうかがえて興味深く読めた。
短編「死の淵より」は「愚か者死すべし」の予告編といった
内容でもあるので先に読んでおきたかったなあ。
文庫で初収録の「監視される女」も読み応えあったしね。
これで沢崎シリーズは全作読めたわけで後は新作に期待ってことだな。
今度は10年も待たされないことを祈るばかりである。
読書状況:未設定
公開設定:公開
カテゴリ:
書籍
- 感想投稿日 : 2006年4月15日
- 本棚登録日 : 2006年4月15日
みんなの感想をみる