穏やかな、いい読書時間だった。
留学時代に古物市で手に入れた1枚の絵はがきから始まる物語。
その絵はがきには廃屋と朽ち果てた四輪馬車の写真と、抽象的で謎めいた十行の詩が綴られていた。
同じ差出人、名宛人の絵はがきを一枚、また一枚と探しだし、詩人のような差出人アンドレ・Lを追い求めるうちに出会った人々との交流と、長い時間と、旅のお話。
読後は表現の豊かさ、言葉の豊富さ、作り出される雰囲気に圧倒されて溜息しか出なくなる。
美しさと静謐と複雑と重厚と懐かしさを丁寧に混ぜたような印象(うまく表現できない)。
でも、くどくなくとても読み易い。好い。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年1月8日
- 読了日 : 2017年1月8日
- 本棚登録日 : 2017年1月8日
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