車谷長吉によるピースボート世界一周の旅ルポ。
面白いのは旅行記なのにどんどん内省的になっていくところ。ちっとも浮かれていない。(浮かれているであろう)周囲との格差はいかばかりか。
かっこいい、うらやましく思う反面、船内での法被姿などはイカれているっていうか、自己顕示欲が強く感じられ少し嫌味にも思える。
海外旅行なんだから浮かれて当たり前なのに浮かれない、周りの人間を白けさせてしまう存在。
それこそが文学なのだろうが、文学とはそれ程高尚なものではない。
同じ船旅の人は愉快に思う人もいたろうが、苦々しく思った人も多くいたろう。
まあ、そんな本です。
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カテゴリ:
車谷長吉
- 感想投稿日 : 2012年7月7日
- 本棚登録日 : 2012年7月7日
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