波瀾万丈な展開はなく、とにかく題名通り静かに物語は進んでいく。
でもその静謐な文章の中から、ところどころで主人公の喜嶋先生への尊敬の思いや、研究にかける情熱などがじわじわと伝わってきて、とてもよかった。
特に"学問には王道しかない"という喜嶋先生の言葉には、主人公と一緒にものすごく感動してしまった。
小説の世界は圧倒的に文系の書き手が多い世界で(ミステリ、SFなどを除く)、こういう理系の研究者を主人公にした小説はとても新鮮だったし、実際に自身も国立大の助教授をしていた著者だからこそ書ける物語だと感じる。
理系には特に刺さること間違いなしですが、文系理系に関係なく、学問を究めている人にとって、深く心に残る本なんじゃないかと思います。
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- 感想投稿日 : 2024年2月7日
- 読了日 : 2024年2月7日
- 本棚登録日 : 2024年2月7日
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