車輪の下 (新潮文庫)

  • 新潮社 (1951年12月4日発売)
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100年以上前に書かれたものなのに、ハンスの心情に深く共感した。
なぜ題名が「車輪の下」なのか最初はわからなかったけど、勉強に疲れ切ったハンスに対して、

『疲れきってしまわないようにすることだね。そうでないと、車輪のしたじきになるからね。』

と校長が言ったことで、なるほどとなった。

形骸的な教育や社会制度の歯車の下敷きにならないようにと言う先生や親の言うままに勉強に身を削り、街に溢れる職人を半ば軽蔑していたハンスが、最終的には試験で苦労して通った学校を自主退学し、歯車を磨く職人として働くようになる。

本来、自分や社会を豊かにさせるための勉強であるはずなのに、ハンスが勉強すればするほど精神的に死んでいってしまうのが悲しかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年3月12日
読了日 : 2022年3月12日
本棚登録日 : 2022年3月12日

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