とてつもない力がある物語やった。
切ないくらい壮絶な愛の物語なのに、物語全体には舞台となっている石垣島の常夏の空気と特有の民族的な明るさが根底に流れていて、そのミスマッチな感じが何とも言えない微妙なバランスを醸し出している。
物語は、産婆のオバァにまじないをかけられて、産んだ子供が他人から見えなくされてしまった若い母親が、子供の幸せの為に奮闘する物語。
まじないを解く為には、息子にかけた7つの願いと同じものを他人から奪わなければいけない、という試練が母を襲う。
幸せって他人と食い合うものなのか。
きっと両立しない幸せ、願いってあるんだろう。
物語の最後はハッピーエンドなのに、物語中に現実世界の世知辛さを見て悲しくなった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2012年10月20日
- 読了日 : 2012年10月20日
- 本棚登録日 : 2012年10月20日
みんなの感想をみる