神の沈黙、つまり神はいるのかという主題を扱った小説。基督教禁制の日本で布教を目指すポルトガル司祭ロドリゴが主人公。拷問のシーン、踏み絵のシーンは耐え難いものがあり、読んでいて苦しかった。
無宗教の私は、神の声とは結局自分の声だと思ってしまう。拷問などの極限状態で忍耐が限界を迎えたとき、自分を律する声、つまり神の声は沈黙せざるを得ないのではないか?
物語のラスト、神は沈黙していたのではない、一緒に苦しんでいたのだと言うが、実際には何をしてくれたのだろう。私にとっては全編を通して神は沈黙を貫いたように思えたが、殉教者たちが最期まで神を信じていられたのは、一緒に苦しんでくれる神がいたからなのだろうか?果たしてそれは彼らにとっていいことだったのだろうか??
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2022年1月15日
- 読了日 : 2022年1月15日
- 本棚登録日 : 2021年11月15日
みんなの感想をみる